歯の移植|斉藤歯科クリニック|奈良県大和高田市の歯科・口腔外科・小児歯科

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歯の移植

歯の移植|斉藤歯科クリニック|奈良県大和高田市の歯科・口腔外科・小児歯科

歯の移植とは

歯の移植 イラスト

歯の移植は、機能していない歯(親知らずなど)を歯が失われた部位に移植することで機能を取り戻す治療です。
歯を失った部位の治療としてはインプラントやブリッジ、入れ歯が一般的ですが、歯の移植も選択肢の一つになります。移植された歯の5年生存率は約90%前後であると報告されており、信頼性の高い治療法です。(引用文献1)

歯の移植の症例 

自家歯牙移植の治療例①

20歳代 女性

自家歯牙移植の治療例
自家歯牙移植の治療例
自家歯牙移植の治療例
主訴
右下のブリッジが取れた
治療内容
右下臼歯部の歯がない部分に対して、右上智歯(親知らず)の移植を行いました
治療期間
約6ヵ月
費用
総額 264,000円(内訳 自家歯牙移植121,000円 オールセラミッククラウン143,000円)
リスク・副作用
移植した歯が骨と結合しない可能性があります。また、一時的に結合したとしても、数年後に歯根の吸収が起こる可能性があります。

自家歯牙移植の治療例②

30歳代 男性

自家歯牙移植の治療例
自家歯牙移植の治療例
自家歯牙移植の治療例
主訴
歯周病の治療をしたい
治療内容
歯周病の治療依頼で紹介され当院を来院された患者さまです。左下6番の歯周ポケットは11㎜、根分岐部病変もあったため抜歯適応と判断し、抜歯後は左下8番を移植することとしました。
治療期間
約6ヵ月
費用
総額 約20,000円(保険治療の範囲内で治療を行いました)
リスク・副作用
移植した歯と骨が結合しない可能性があります。また、一時的に結合したとしても、数年後に歯根吸収が起こる可能性があります。

歯の移植の適応症とは

歯の移植を行うためには、満たさなくてはならない条件があり、その条件についてご説明します。

移植に使う歯があること

移植に使用する歯を「ドナー歯」と言います。ドナー歯には親知らずや機能していない歯(噛み合わせに関与していない歯)、不要な歯(矯正治療により抜歯される歯) が使用されます。

移植する歯に歯根膜が十分にあること

健康な歯の根の周りには、歯根膜と呼ばれる薄い膜が存在します。この歯根膜は移植した歯と骨をつなぐ大切な働きをしており、歯の移植が成功するためには、この歯根膜がドナー歯に十分にあることが重要です。

移植する歯の根の形が複雑でないこと

歯の根が形が複雑であると、抜歯時に歯根膜を傷つけてしまう可能性があります。根が曲がっていない歯根が1本の歯がドナー歯として理想的です

移植する歯の大きさがマッチしていること

移植する歯(ドナー歯)と移植される側(レシピエントサイト)の大きさが合っていることが大前提です。大きさが合っていない場合は歯の移植は困難になります。

歯の移植のメリット・デメリット

歯の移植(自家歯牙移植)のメリット

  • 歯根膜があるため、インプラントよりも食べ物の歯ごたえを感じやすい
  • 歯根膜がクッションの役割をするので、噛み合う歯を傷めにくい
  • ブリッジのように両隣の歯を削る必要がないため、歯の寿命が延びる
  • 移植後に矯正治療が可能(インプラントは埋入した位置から動かないので矯正治療はできません)

歯の移植(自家歯牙移植)のデメリット

  • 技術的に難しい
  • 適切な形と大きさのドナー歯が必要
  • 移植される側(レシピエントサイト)にある程度の骨幅が必要
  • 移植する部位とされる部位の2か所に外科手術が必要となる
  • インプラントに比べて成功率が若干劣る

横スクロールでご確認いただけます。

入れ歯 ブリッジ インプラント 歯の移植
治療法 入れ歯 ブリッジ インプラント 歯の移植
メリット
  • 歯の削る量が少ない
  • 治療期間が短く、保険が適応できる
  • 固定式のため、違和感が少なく噛む力が強い
  • 治療期間が短く、保険が適応できる
  • 両隣の歯を削る必要がない
  • 噛み心地が天然歯に近く、審美性も高い
  • お手入れを正しく行えば、ブリッジや入れ歯よりも長持ちする
  • 自分の歯で再び噛めるようになる
  • 両側の歯を削る必要がない
  • インプラントに比べて費用が安い
デメリット
  • 違和感を感じることが多い
  • 食事の際、入れ歯が動きやすく痛みを感じることがある
  • 金属製のフック(留め具)を用いるため、審美性に欠ける
  • 硬い食べ物ものを噛むのに適さない
  • 健康な両隣の歯を削る必要がある
  • 両隣の歯の神経治療が必要になることがある
  • 両隣の歯の負担が増え、寿命が短くなる可能性がある
  • 連結部の清掃がしづらく、虫歯や歯周病になりやすい
  • 外科的な処置が必要である
  • 保険が適応できないため治療費が高い
  • 治療期間が、ブリッジや入れ歯に比べて長くなる
  • 親知らずのサイズによっては移植できないことがある
  • インプラントに比べて成功率が劣る
  • 外科的な処置が必要である

成功率を上げるための当院のこだわり
~3Dプリンターにより作製したレプリカ模型を用いた歯の移植~

歯の移植は、移植する歯(ドナー歯)の歯根膜が健康であることが重要ですが、歯根膜の細胞は抜歯して時間が経つにつれどんどん死滅してしまいます。そのため、歯の移植の成功率を上げるためには、ドナー歯を抜歯してから移植される部位に位置付けるまでの時間を短くすることが重要となります。(引用文献2)
斉藤歯科クリニックでは、歯科用CTの3D画像データをもとに移植される歯のレプリカ模型を作製することにより、抜歯から移植されるまでの時間を大幅に短縮を実現、高い自家歯牙移植の成功率を残しています。

歯の移植 レプリカ 3Dプリンター

従来の歯の移植

  1. 移植される側の骨を削り、穴を掘る
  2. 移植する歯の抜歯
  3. 移植する歯が削った骨の穴に適合するかを確認
  4. 適合しない場合、移植される側の骨を再度削る
  5. ドナー歯の固定・縫合

③④適合するまで繰り返す。骨を削る間に歯根膜の細胞がどんどん死滅してしまう。

レプリカ模型を使用した歯の移植

  1. 移植される側の骨を削り、穴を掘る
  2. レプリカ模型が削った骨の穴に適合するか確認
  3. 移植する歯の抜歯
  4. 移植する歯を削った骨の穴へ位置づけ
    ※すでに親知らずが適合する穴が形成されているので最小限の時間で移植が可能
  5. ドナー歯の固定・縫合

①②適合するまで繰り返す。

歯の移植の流れ

1

歯の移植が可能かの検査・カウンセリング

歯科用CT画像や口腔内写真の撮影、歯周ポケットの検査などを行い、移植が行えるかの検査を行います。検査結果や患者さまの希望をもとに治療方針を決定します。

2

歯の移植に向けた下準備

歯科用CTによる3D画像データをもとに、移植する歯のダミー模型を作製します。
また必要に応じて、移植する歯の抜歯を簡単にするための部分矯正を行います。

3

歯の移植

移植する歯を抜き、歯がない部分に移植します。(約60分)
局所麻酔下にて処置を行うので、痛みはほとんどありません。

4

歯の根の治療

約2週間後、移植した歯の根の治療を開始します。(約2回)

5

仮歯の装着

歯の移植を行った約2ヵ月後、仮歯を装着します

6

最終的な被せ物の装着

仮歯が問題なく機能することを確認後、最終的な被せ物を装着します。

歯の移植の費用

費用(税込み)
自家歯牙移植(レプリカ模型使用) 121,000円

上記費用は歯の移植と、その後の根管治療の費用が含まれております。被せ物については別途頂戴いたしております。
保険適応の条件を満たしている場合、健康保険を適応して歯の移植を受けられることができます。詳しくはスタッフまでお聞きください。

引用1:Outcomes of autotransplanted teeth with complete root formation: a systematic review and meta-analysis.Wen-Chen Chung ら.J Clin Periodontol. 2014 Apr;41(4):412-23.
引用2:The effect of limited drying or removal of the periodontal ligament. Periodontal healing after replantation of mature permanent incisors in monkeys. J O Andreasenら. Acta Odontol Scand. 1981;39(1):1-13.