虫歯治療
虫歯治療
虫歯は、飲食物に含まれている糖質を歯に付着している細菌が食べ、それにより作り出される酸が歯の表面を溶かすことにより引き起こされる病気です。
酸に対する抵抗性は人それぞれであり、同じ食生活や歯磨きをしていても、虫歯になる人とならない人がいます。また、虫歯の進行スピードにも個人差があり、数ヵ月間放置しただけで末期の虫歯まで進行するケースもある一方、数年放置していても症状があまり進行しない人もいます。
虫歯が進行すると歯が茶色や黒色に変色します。中には白濁する場合もあります。
虫歯が神経近くまで進行すると、冷たいものや温かいものがしみるようになります。一般的に初期の段階では冷たいものが、末期の段階では温かいものがしみるようになります。なお、知覚過敏の場合は虫歯がなくても冷たいものでしみることがあります。
虫歯が進行し神経に炎症が起こると、夜も眠れないほどの強い痛みが出ることがあります。痛みを早く取るためにも、なるべく早めの歯科医院の受診をおすすめします。
虫歯で歯に穴が開いている場合、フロスが引っかかることがあります。
虫歯でできた穴に食べ物がはさまっている可能性があります。
以前は感じなかったざらつきや突起を感じる場合、虫歯の可能性があります。
虫歯の進行度合いは、C0、C1、C2、C3、C4という5段階に分類され、数字が大きくなるほど進行度が上がり治療にかかる費用も高くなる傾向にあります。
穴が開いた虫歯は自然に治ることはないため、「あれ?虫歯かな?」と思われたら早期に歯科医院を受診することをおすすめします。
エナメル質の虫歯(C0.C1)
虫歯の初期段階で、虫歯がエナメル質の中だけで広がっています。コンポジットレジンと呼ばれる白い樹脂を詰めることにより1回で治療が終わります。また、虫歯はあるものの穴が開いていない状態(C0)では、虫歯を削らずに再石灰化させることによりに治癒に導くこともできます。
費用の目安:1,500~3,000円(3割負担)
象牙質まで進行した虫歯(C2)
虫歯がエナメル質を突破し象牙質まで進行している状態で、痛みを感じることがあります。虫歯のサイズによりコンポジットレジンや保険の銀の詰め物、または自費診療の白い詰め物をします。治療が複数回にわたることもあります。
費用の目安:2,000~10,000円(3割負担)
神経まで進行した虫歯(C3)
虫歯が歯の神経(歯髄)まで進行した状態であり、激しい痛みを伴うことも多い。根管治療(歯の神経の治療)が必要であり、治療回数が多くなり費用も高くなります。
費用の目安:5,000~20,000円(3割負担)
歯根だけ残った虫歯(C4)
虫歯が大きく広がり、歯根だけが残っている状態です。歯根の状態によっては保存を試みることもできますが、抜歯が必要になるケースも少なくありません。保存を試みる場合は治療回数が多くなり費用も高くなります。
費用の目安:3,000円~20,000円(3割負担)
費用はあくまで目安です。歯の状態や患者さまのご希望により治療にかかる費用は変わりますのでご了承ください。
「治療前は痛くなかったのに、歯医者で虫歯治療をした後に痛みが出た」「詰め物や被せ物を入れたのにまだ歯がしみる」このような経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。
このような状況に遭遇すると、「治療にミスがあったのではないか?」「被せ物と歯の間にすき間があるからしみるのではないか」と患者さまが心配される気持ちは分かります。ですが、こういった症状は適切な処置を行ったとしても起こりえるものであり、多くのケースで時間の経過とともに症状は落ち着きますのであまり心配はいりません。
以下では、治療前には感じなかった痛みを治療後に感じるようになる理由について説明します。
理由1.虫歯を除去する際の刺激
虫歯治療では、“バー”や“エキスカ”と呼ばれる器具を使用して虫歯を削り取ります。この際、歯を削る機器の振動や摩擦熱が神経に刺激を与えます。特に虫歯が神経の近くまで進行しているケースでは、神経に刺激が伝わりやすくなるため、治療後に冷たいものがしみるといった症状が出る可能性が高くなります。
理由2.被せ物をつける際の刺激
被せ物を歯に装着する際、セメントと呼ばれる接着剤を使用します。このセメントは歯が乾燥している状態で効果を発揮するため、被せ物を装着する際は歯の表面を乾燥させる必要があります。この乾燥させるプロセスで歯の神経に刺激が加わり、治療後に歯が敏感になることがあります。また、セメントによっては歯の神経に対する刺激性があり、これが原因で治療後に歯が痛むことがあります。
虫歯の治療後に歯が痛んだとしても、「冷たいものが一時的にしみる」「噛んだ時に少し痛む」といった症状であれば、ほとんどの方で1ヵ月以内、長い方でも6ヵ月以内には症状が大きく改善します。、安静にしていただいた方が症状が早く改善しますので、固いものを噛んだり指で押して刺激を与えたりすることを避けるよう心掛けてください。
なお、「何もしなくてもズキズキ痛い」、「冷たいものや温かいものを食べた際に歯が強く痛む、痛みがなかなか引かない」といった症状が出ている場合は、歯の神経に強い炎症が起こっており根管治療(歯の神経の治療)が必要になりますので、歯科医院を早めに受診されることをおすすめします。
奈良県大和高田市の歯医者「斉藤歯科クリニック」では患者さまに安心して虫歯治療を受けていただくため、下記の取り組みを行っています。
痛みを最小限に抑えた虫歯治療
歯科治療の痛みが苦手で歯医者を敬遠されている方は少なくないのではないでしょうか。
当院では、表面麻酔薬の使用、極細の注射針の使用、体温付近に温めた麻酔液の使用、電動麻酔器の使用、など多くの工夫を凝らすことにより、「痛くない」「怖くない」治療に取り組んでいます。
これまで歯医者の痛みが苦手だった方も、どうぞお気軽にご相談ください。
健康な歯をなるべく削らない治療
歯を長く健康的に維持するうえで“自分の歯を削る量を必要最小限にする”ことは非常に重要です。そのため虫歯治療では、健康な歯の部分は削らず虫歯の部分のみをピンポイントで削り取る必要があります。
当院では虫歯に侵された歯だけを識別できる「う蝕検知液」という薬剤を使用することにより、健康な組織をなるべく削らずに虫歯だけを削り取る「MI治療(ミニマル・インターベンション)」を行っております。
また、歯を削る量を最小限に抑えるには、治療部分がしっかりと見える必要があります。
従来は肉眼での治療でしたが、当院では拡大鏡(ルーペ)やマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用し、拡大視野下で治療することにより、虫歯の歯だけを精度高く除去できます。
「歯の神経を取る、取らない」という話を虫歯治療で耳にされたことがあるかもしれません。
虫歯が歯の神経(歯髄)まで進行すると、一般的には“抜髄”といわれる歯の神経を全て取る処置が行われます。抜髄は成功率の高い優れた治療法ですが、歯の神経を全て除去すると歯の強度が大きく減少してしまい、長期的には歯にひびが入る、歯が割れるといったトラブルが起こる可能性が高まります。
歯髄保存療法は、歯の神経を全て取り除くのではなく感染した部分だけを除去するため、強度の低下を抑えることができ歯の寿命をのばすことに繋がります。
歯髄保存療法には、神経を保護する特殊なセメント(MTAセメント)の使用や歯の神経の生死を正確に見極める技術が必要とされます。なお、神経の状況によっては歯髄保存療法が行えないケースもあります。
費用(税込み) | |
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歯髄保存療法(MTAセメント使用) | 33,000円 |