「根管治療がいつまでも終わらない」はなぜ起こるのか。原因と対処法について歯科医師が解説!|【公式】斉藤歯科クリニック|奈良県大和高田市の歯科・口腔外科・小児歯科

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「根管治療がいつまでも終わらない」はなぜ起こるのか。原因と対処法について歯科医師が解説!

「根管治療がいつまでも終わらない」はなぜ起こるのか。原因と対処法について歯科医師が解説!|【公式】斉藤歯科クリニック|奈良県大和高田市の歯科・口腔外科・小児歯科

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「根管治療がいつまでも終わらない」はなぜ起こるのか。原因と対処法について歯科医師が解説!

「いつまで経っても根管治療が終わらない」

「毎回針のようなものでグリグリされて痛い」

「歯の根の治療に1年以上通っているが治療が終わらない」

このような悩みを抱えてセカンドオピニオンで来院される患者様は少なくありません。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。本当に根管治療(歯の根の治療)のために何度も通院する必要はあるのでしょうか。

本記事では、「根管治療がいつまでも終わらない」原因と対処法について解説します。

根管治療が終わらない原因とは

根管治療の流れ(根管拡大・洗浄・貼薬・充填の4ステップ)

根管治療は、

①ファイルと呼ばれる機器で根管内を削り、細菌が付着している歯質を除去する(根管拡大)

②根管拡大で除去できなかった細菌を洗浄液で殺菌・除去する(根管洗浄)

③1~数週間の期間、根管の中に薬剤を入れて残った細菌を殺菌・除去する(根管貼薬)

④ガッタパーチャやコアと呼ばれるもので根管内を緊密に充填し、細菌の侵入・増殖を防ぐ(根管充填・コア築造)

という4ステップが一連の流れになります。

治療の難易度によりますが、1~4回程度の通院で④の根管充填まで終わる (根管治療が終わる)のが一般的です。

そして、④の根管充填に移行する際は、

☑痛みや違和感といった症状が消失もしくは軽減している

☑根管の中が乾燥している(出血や排膿、浸出液がない)

☑適切な根管の拡大、洗浄が終了している

といった条件を満たしていることが理想的です。

しかし、以下に示すようなケースでは、これらの条件を満たすことができず、いつまで経っても④の根管充填に移行できないため①~③のフェーズを何度も繰り返すといった状況が起こってしまいます。

無菌的な環境で治療が行われていない

唾液中には多くの細菌が存在しています。そのため、治療中はこれらの細菌が根管内に侵入しないような状況で根管治療を行う必要があります。(無菌的な治療) 

これらの配慮がされていない場合では、痛みが続くだけでなく、治療前よりも根管内の状況が悪化してしまう可能性があります。

見落とされている根管がある

根管は非常に細く、肉眼でのチェックでは根管を見逃してしまう可能があります。

見逃されている根管があると、その根管内の神経が原因で痛みを感じることがあります。

器具や薬剤が到達できない部分に細菌が残存している

根管は非常に複雑な形態をしています。

そのため、理想的な治療を行ったとしても、全ての細菌や汚染物質を十分に除去しきることはできず、痛みや腫れといった症状が消えないことがあります。

また、過去に根管治療が行われた歯の再治療においては、以前の治療の痕跡により根管内の清掃が十分に行えない場合があります。

細菌感染が根管の外側まで広がっている

根管治療で除去できるのは“根管内”の細菌です。歯の根の先端から“根管外に細菌が広がっているケースでは、通常の根管治療では治癒しないことがあります。

治療に用いる薬剤や切削片の根の先への押し出し

根管治療では、ファイルと呼ばれる器具を用いて根管内を削り、細菌を殺すための薬剤を使用します。

この過程で発生する歯の削りカスや薬剤が歯根の先端を刺激することにより、治療後に痛みを感じる、歯ぐきが腫れるなどの症状がでることがあります。

このような根管治療後の症状をフレアーアップといい、数%の確率で起こることが報告されています。

不適切な仮封(仮のふた)がされている

治療後は細菌が根管内に侵入しないように仮封を行います。この仮封の素材が不適切、または厚みが不十分である場合、唾液中の細菌が根管内に入ってしまいます。

詳しくは根管治療中の仮蓋がボロボロ取れてきたけど大丈夫? 緊急性の有無について歯科医師が解説します!をご覧ください。

根管治療では治せないほど、歯が大きなダメージを負っている

歯にひびが入っている(クラック)、歯の根が折れている(歯根破折)、本来の根管とは異なる位置に穴が開いている(パーフォレーション)、重症の歯周病を併発している、このような歯は適切に根管治療を行ったとしても治癒に導くことが困難であるため、抜歯が必要なケースも少なくありません。

根管治療を長引かせないためには

なるべく少ない回数で根管治療を終わらせるためには、以下のポイントが重要になります。

無菌的な治療を行う

根管治療では“歯の中に細菌を入れない、既に細菌が入っている場合は可能な限り細菌を除去する”ことが最も重要です。

そのためにはラバーダムと呼ばれるゴムの膜を歯に装着し唾液中の細菌が歯に入らないようにし、治療する歯をしっかりと消毒することが大切です。

根管内に細菌を入れないことにより、根管治療中の痛みや違和感を少なくできるだけでなく、将来的な再治療のリスクを最小限に抑えることができます。

ラバーダム防湿を行うことで無菌的な治療を実現する様子

マイクロスコープやCTなどの最新機器を用いる

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用い、肉眼の10倍以上の拡大視野で治療することにより、根管の見落としや汚染物質の取り残しを最小限にすることができます。

また、CT画像を撮影することにより、根管の形態を3次元的に把握することができるため、根管の形態が複雑な大臼歯(奥歯)の治療では特に効果的です。

マイクロスコープを使用した精密根管治療の様子

根管治療に精通した歯科医師の治療を受ける

根管治療は、歯科の中でも専門性が高く、高度な技術が必要とされる治療あり、歯が長持ちするかを左右するとても大切な治療です。

そのため、根管治療を受けられる際には、豊富な知識・技術・経験をもつ歯科医師の治療を受けることをお勧めします。

根管治療に精通した歯科医師の治療を受けることにより、将来的に歯を残すことに繋がります。

患者様自身で根管治療に精通した歯科医師を探すのは簡単ではありませんが、

☑歯内療法学会の専門医である

☑ホームページでラバーダム防湿やマイクロスコープを使用していると書かれている

☑根管治療に関する学会やセミナーに定期的に参加している

☑根管治療に関する質問をしたときに真摯に答えてくれる

これらに当てはまる歯科医師であれば、根管治療に精通している可能性が高いと思われます。

 

本日のブログはここまでです。

「根管治療がなかなか終わらない…」「なるべく歯を抜きたくない」「早く痛みから解放されたい」とお悩みの患者さんに、この記事が少しでもお役に立つことを願っています。

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マイクロスコープ・ラバーダム・CTを使用した、再発しにくい精密な治療を行っています。
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齊藤伸和 副院長

この記事の監修者

齊藤 伸和(さいとう のぶかず)

奈良県大和高田市「斉藤歯科クリニック」副院長
日本臨床歯周病学会 認定医
日本歯内療法学会・日本歯周病学会・日本口腔インプラント学会 会員


国立北海道大学歯学部卒業後、歯内療法(根管治療)・歯周病治療・インプラント治療を専門に学び、 現在は奈良県大和高田市の 斉藤歯科クリニックにて、 マイクロスコープやラバーダム、歯科用CTを用いた精密治療を行っています。
「歯の保存」を第一に考え、再発を防ぐ治療と丁寧な説明を心がけています。